親の愛情不足のせい?|残っているのは量ではなく、受け取り方のほう

 

「親の愛情不足」で検索して、ここまで来た人もいると思います。

 

今しんどくて調べている人もいるし、誰かの話を聞いて、

ふと自分はどうなんだろうと思っただけの人もいると思う。

 

どっちの入り方でも読めるように書いていきますね。

知りたいのは、たぶん同じところだから。

 

調べると、だいたい同じ説明が出てくる。

幼い頃に十分な愛情を受け取れなかった子どもは、

大人になっても不足感を抱えたままになる。

 

この説明は、実際に起きていることの一部を指しています。

ただ、これだけだと途中で止まる。

 

止まるポイントがどこかというと、「で、私はどうなの?」のところ。

説明は分かった。当てはまる気もする。でも自分の話として続かない。

 

その続きを、書いていこうと思います。

 

夢野さくら

劇団青年座の女優を経て、TVアニメ「サザエさん」のシナリオライターに。

潜在意識・好転反応の専門家として15年、セッション実績10,000件超。著書多数。

人生のアルゴリズム研究所 所長/夢野さくらです。

 

「足りていたのか」を測りにいくと、たいてい行き止まりになる

 

「愛情不足」は、量の言葉。

足りていたか、足りていなかったか。多かったか、少なかったか。

 

だからこの言葉を持って自分の中に入っていくと、

やることは自然に「量の証拠さがし」になる。

 

あの日こっちを見てもらえなかった。

話を最後まで聞いてもらえずに終わった。

そういう場面を、記憶の中から引っぱり出そうとする。

 

ところが、探しにいくと行き止まりが2つある。

 

ひとつは、証拠が出てこない場合。

思い当たる場面がない。むしろ大事にしてもらった記憶のほうが出てくる。

それなのに不足感だけは、ちゃんとある。

 

もうひとつは、証拠が出てきた場合。

あれもあった、これもあった、と出てくる。出てくるところまでは進む。

ただ、そのあとが続かない。

分かったところで、もう終わった話だから。

 

どちらも、探し方が足りないわけじゃない。

使っている物差しが「量」なので、

量を数え終わったところで作業が終わってしまう。

 

私は長いこと、前者の側で止まっていました。

親からの愛情はあふれるほどあったし、それは自分でもちゃんとそう認識してた。

 

なのに不足感のほうは、しっかりある。

結果だけが手元にあって、原因の欄がずっと空いたまま。

その状態で何年もいました(^-^;

 

そのあたりのことは、当時こっちの記事に書いています。

【自愛の覚醒】親からの愛情たっぷりでも存在する不足感とは?

 

鳴っていた音と、録れていた音は別もの

 

ここで、少し離れたところから見てみる。

 

同じ部屋で、同じ演奏が鳴っていたとする。

その部屋にマイクを1本置いて、録音する。

 

マイクを置いた場所によって、録れるものは全然違う。

ピアノのそばに置けばピアノが大きく入るし、

ドアのそばに置けば廊下の足音まで入る。

 

鳴っていた音は同じなのに。

 

そして、あとから何度でも再生できるのは、

鳴っていたほうじゃない。録れたほうだけ。

 

幼い頃に起きていたことも、これと同じ構造をしている。

 

親が出していた愛情は、部屋で鳴っていた音のほう。

自分の中に残ったのは、その場で録れた音のほう。

 

大人になってから何度も再生されているのは、後者なんです。

音量をどれだけ計算しても、録れたものの中身は出てこない。

 

「親の愛情不足かどうか」を測りにいったときに行き止まりになるのは、ここ。

測ろうとしているものが、もう手元にないから。

 

それと、この比喩にはもうひとつ大事なところがあります。

 

マイクを置いた位置を、置いた本人は選んでいない。

そこにあったから、そこで録れた。それだけ。

 

だから録れた音を再生して「変な録り方をした」とはならないし、

部屋で鳴っていたほうに文句を言う話にもならない。

 

どっちの側にも、直すところが最初から無いのです。

あるのは、何が録れているのかをまだ聞いていない、という状態だけ。

 

ここで、もうひとつ。

 

マイクの位置は、たまたまそこにあったわけでもありません。

何かが起きるより前に、もう置いてあった。

生まれた時点で。

 

私はこれをアーキタイプと呼んでいます。生年月日から出ます。

層は3つあって、潜在意識の層(宿命数)、顕在意識の層(誕生数)、性格の層(運命数)。

いちばん奥の潜在意識の層が、いちばん強く出ます。

 

順番のところが、たぶん意外だと思う。

 

根っこの思い込みは幼い頃に作られる、という話はよく聞くと思うけれど、

アーキタイプはその根っこよりさらに下にあります。

 

先に型がある。

その型がマイクの置き場所になって、同じ出来事が人によって別々に録れる。

録れたものが、あとから結論として残る。

 

宿命数が恋人の型の人なら、そろっていないほうの欠如感を先に感じ取ります。

同じ量の愛情がその場に出ていても、足りていないほうが先に耳に入る。

 

だから「親の愛情不足」は、多くの場合、量の話ではないのです。

その人の置き場所で、そう録れた。そっちの話。

 

3つの層の出し方と、9つの型それぞれの意味はこちらに。

宿命数とは?生年月日でわかる潜在意識の資質|1〜9の意味を解説

 

「今じゃない。それじゃない」が起きていた

 

じゃあ、録れたほうには何が入っていたのか。

 

私がずっと引っかかっていたのは、ここでした。

愛情はもらっている。自分でもそう思っている。

なのに残っているものがある。

 

そのズレを、私は「今じゃない。それじゃない」と呼んでいます。

ほしいときに、ほしい形でもらえていない、という状態。

 

 

たとえば、テストの点がよかった日。

その日にほしかったのは、言葉のほうだったとする。

すごいね、とか、よくやったね、とか。

 

そして実際に返ってきたのは、お小遣いだった。

よく頑張りましたね、の代わりに、ふだんの月と同じ額のお金。

 

お金は、うれしい。素直にやったぁと思う。

ただ、その日ほしかったものは、まだ受け取れていない。

 

もちろん逆の並びもあります。

お金のほうが手応えになる子が、言葉だけで終わる回。

 

これは良し悪しの話でもないし、親の愛の深さを比べる話でもない。

ほしい形が、親と子でそれぞれ別だったというだけ。

 

愛情は出ていた。受け取ってもいる。

それでも、ほしかった形ではなかった回が積み上がっていく。

 

この話をもう少し細かく書いたのが、この記事。

【自愛の覚醒】親からの愛がたっぷりな人の不足感はどこから来るの?

 

うれしかったことに、上書きされる

 

そして、ここからがややこしいところ。

 

お金はうれしかった。だから喜んだ。

喜んだ時点で、その回は完了したことになる。

 

受け取ったほうが、ほしかったほうの席にそのまま座るのです。

 

すり替わったほうが記憶には残る。

だから大人になってから振り返ると、

「愛をもらっていた」という認識だけが出てくる。

 

これが、原因が見つからない仕組み。

 

見つからないんじゃなくて、うれしかった記憶のほうが上に乗っている。

証拠さがしで何も出てこないのは、たぶんこれが理由。

 

ちなみにこれ、当時の自分が気づける種類のものじゃない。

これだけもらって、その上まだ言葉まで求めるのは欲張りだ。

そんな線引きを、子どものほうが先に自分に引いていることもあります。

 

私も、ほしい形を伝えられなかったほうです。

 

自分の中でこういうすり替えがどれくらい起きてきたのかは、思い出そうとしても出てこない。

ただ、今の自分の繰り返し方を見ると、そこから逆に見えてくるものがあります。

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先に今の自分の止まり方のほうを見ておく、という順番もあります。診断はこちら。

 

残ったのは出来事じゃなくて、一行の形

 

ここからが、この記事の本題。

 

「今じゃない。それじゃない」が積み上がったとき、残るのは出来事の記憶じゃない。

 

残るのは、そのときの自分が出した結論のほう。

それも、すごく短い一行の形をしています。

 

主語が「私は」で始まって、「○○な存在だ」で終わる。

それだけの、一行。

 

私が根っこの思い込みと呼んでいるのが、この一行です。

○○に何が入るかは、人によってまるで違う。

ここでは中身は書きません。書いたところで、あなたの一行にはならないので。

 

大事なのは、これが説明ではなく結論の形をしているところ。

 

「あの日、言葉はもらえなかった」は説明です。出来事の話。つまり外側。

「私は○○な存在だ」のほうは結論。自分の話。つまり内側。

説明のほうは忘れていく。結論のほうは残る。

これ、けっこう不公平な仕組みだと思うのだけど、そうなっている(^-^;

 

なぜ結論だけが残るのか。

結論には、その先で使う用事があるからです。

 

出来事そのものは、一回きりで終わる。もう使わない。

でも「私は○○な存在だ」のほうは、明日も使える。

明日どう振る舞えば安全かを、その一行が先に決めてくれるから。

 

つまりこれは、削除し忘れて残ったゴミじゃない。

そのときの自分が、生き延びるために作った道具のほうです。

 

しかもこの一行は、かなり早い時期に出来上がる。

言葉をまだ使えない赤ちゃんの頃から、周りの言動の受け皿になっているので。

 

だから「いつそう決めたか」を思い出そうとしても、出てきません。

思い出せる形で入っていないから。

 

そして思い込みには階層があって、この一行はいちばん下にある。

上のほうにある思い込みは、自分でもわりと自覚できる。

下にいくほど自覚から遠くなって、いちばん下のこれは、ほぼ前提として動いている。

 

階層の話はこっちで詳しく扱っています。

人生で同じ問題を繰り返す本当の理由|潜在意識の「思い込みの階層」

 

その一行が、今日も無意識に選び続けている

 

一行が残っただけなら、そんなに影響はなさそうに見える。

ところが、そうはならない。

 

その一行は、しまい込まれているわけじゃないからです。

今日、誰かからの連絡に返す言葉を選ぶとき。

断ろうか、引き受けようかで一瞬迷ったとき。

その一瞬に、ちゃんと参照されている。

 

人は自分の前提に対して、いつでも最善の選択をします。

前提が違えば、最善も違う。

 

その一行を土台にして選び続けると、選択の傾向が固まる。

固まった傾向は、同じ種類の状況を何度も作ります。

 

だから起きるのは、同じ出来事の繰り返しじゃない。

相手も場所も年齢も違うのに、形だけがそっくりな状況が繰り返される。

 

そしてその一回ずつは、ちゃんと自分で選んでいます。

そのとき出せる中で、いちばんマシなほうを選んでいる。

 

だから「もう同じことはしない」と決めても、また同じ形になる。

決めているのは上のほうで、選んでいるのは下のほうだからです。

 

人生のアルゴリズムと私が呼んでいるのは、この繰り返しのほうです。

そのあたりを扱ったのが、この記事。

変わりたいのに変われない本当の理由|あなたの人生を動かす「アルゴリズム」の正体

 

ここまで来ると、最初の問いの形が変わってきます。

 

親の愛情は足りていたのか。

↓

そのとき自分は、何を結論にしたのか。

 

前の問いは、過去に向かって量を数える問い。数え終わったところで作業が終わります。

後ろの問いは、今も動いているものを見にいく問い。こっちは今日から使える。

 

それと、この置き換えにはもうひとつ効果があります。

 

量の問いは、答えを出そうとすると親の採点の形になりやすい。

そして採点が終わらないうちは自分の話に進めないので、

そこで何年も止まることになります。

 

結論のほうを見にいくと、採点がそもそも要らなくなる。

誰かの評価を確定させなくても、自分の一行は見にいけるから。

 

お母さんなりの愛を、自分なりに受け取ってきた。

この話は、こちらにまとめてあります。

幼い頃、お母さんなりの愛を自分なりに受け取ってきた

 

そして、見つけた一行は、消しにいくものでもありません。

 

形がはっきり見えると、それを守るためにやっていたことのほうが先に浮いてきます。

あ、これは要らなかったんだ、というやつ。

 

新しいやり方を持ち込むのではなく、いくつか落ちる。

そういう方向の変わり方をします。

 

自分の繰り返しの型を、先に見てみる

 

一行そのものは、いきなり文字になって出てくるものじゃありません。

先に見えるのは、いつも、繰り返しの形のほうです。

 

ほしい形を取り損ねたとき、その席は空いたままになりにくい。

たいてい、何かが代わりにそこへ座ります。

 

そして何を座らせるかには、その人なりの癖が出る。

子どもの頃の記憶と違って、この癖のほうは今日の自分を見れば出てくる。

 

その癖には、5つのタイプがあります。

 

ひとつだけ名前を出すと、5つのうちの1つは「答えはどこに」。

原因を突き止めにいく動き方をする型です。

 

「親の愛情不足」と打ち込んで、自分の過去のほうへ探しに行く。

これは、この型の動き方そのものです。

 

残りの4つは、まったく別の方向へ動きます。

同じ「変わりたいのに変われない」でも、出方が5つに分かれる。

 

▼ 15問でわかる、あなたの繰り返しパターン

「変わりたいのに変われない」には、5つの型があります

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